元記事はこちらからご覧いただけます:

https://note.com/frkp_kawano/n/n598d967ea05f

なぜ私は起業したのか

 ― 製造業の未来を創るために

note投稿お久しぶりです、河野です。

以前の「辞めトヨタ」の記事は色んな方に見ていただけたようで大変感謝しております。

面接の時も、新規の商談の時も、「河野さんのnote見たよ〜」と言ってくださる方がちらほらいまして、

恥ずかしいなと思いながらも、noteの威力を痛感した次第ですし、

何よりコンテキストをお相手が先に知ってくださるというのは非常に今後の話もしやすく、助かりました。

さて、実は私事ですがキャディを6月末で退職し、7月より起業をしております!

社名は「FoResight Kaizen Partners合同会社」です。

トヨタやキャディで学んだKaizenを前へ進める(Foresight)、伴走するPartnerという意味合いです。

ちょうど1ヶ月近く経ち、ようやく少し落ち着いてきた頃合いですので、

私が今回、起業という選択をした理由について、率直にお伝えしたいと思います。

だいぶ冗長な文章になった気がして恐縮ですが、お許しください。

まず、端的に言えば、

「自分のやりたいことを自分で決め、自分の価値を最大限に発揮できる場を自ら創りたい」

という思いが原点にあります。

私はこれまで、製造業のバリューチェーンを上流から下流まで一貫して支援できる、

いわば“全体最適”の視点を磨いてきました。

たとえばトヨタのTNGA(Toyota New Global Architecture)推進時には、

調達ながら、設計企画部署に入り込み、TNGA企画段階からサプライヤー様の現場と連携を徹底し、

「あるべき姿」を構想し、それを実現するために

設計・調達・サプライヤー様すべてを巻き込んで実行してきた経験があります。

また、コンサルティングファーム時代には、

自動車OEM様の設計・生産各部門へのプロセス改革や

業務革新をサポートするプロジェクトにも携わりました。

キャディでは品質という軸で、顧客との品質に関わる折衝・社内プロセス整備・

加工会社への品質改善リード、など幅広く経験しました。

また色んな組織が生まれ、統廃合していく流れを経験したことで、

組織の立ち上げ方、あり方も理論でなく実践で理解することができました。

以上より、現場改善から経営改革、組織変革に至るまで、

理論と実践の両面でノウハウを蓄積してきた自負があります。

しかし、こうした経験を積む中で、

既存の大企業やコンサルティングファームの組織の枠組みでは、

本当の意味で全方位的なバリューチェーンイノベーションの実現が難しいと痛感しました。

たとえば、コンサルティングファームでは多様な業界やテーマに携われる反面、

どうしても“特定のプロジェクト”や“特定の機能領域”に閉じてしまいがちです。

また、事業会社に転じて自分が全方位的に携わろうとすれば、

当然一社内の制約が生じ、広く社会に貢献したいという思いとは相容れない。

一部の方からは「中小企業に入って自分で全部やればいいのでは」とも言われました。

しかし、それもまた“一社限定”の範囲に収まってしまう。

私自身、「より広いインパクトを社会に残したい」「複数の会社・組織を横断的に支援したい」

という思いが年々強くなり、そのためには独立して自ら道を切り拓くのが適切だろうと結論づけました。

加えて、今が「40歳」という区切りの年齢であったことも、決断の一因です。

私はこれまで大企業、コンサルファーム、スタートアップと、両極端とも言える現場を経験してきました。

それぞれの良さや課題を肌感覚で理解しています。

その中で、キャディで体感した「経営の意思決定」に直接レバーを引き、

自らの判断で事業の方向性を決めていくことのダイナミズムに強く惹かれました。

このダイナミズムは大企業やコンサルファームに戻ってもできるものではないな、

という強い原体験を得ることができました。

もちろん、個人的な事情もあります。

たとえば、家族の健康や両親との時間を大切にしたいという思いです。

起業し“一人社長”になることで、スケジュールや働き方の自由度を最大化でき、

家族に寄り添う時間を自分で確保できる。

それも大きな理由の一つです。

さらに現実的な観点として、「節税」や「資本の自己裁量」も重要です。

会社員として高年収を得ていても、税金によって資産形成が難しい現実があります。

独立して法人化することで、自分が稼いだお金を、

より意義のある事業投資や新規チャレンジにダイレクトに回せる。

たとえば、新しい展示会や営業活動、海外市場への投資なども、自らの意思で迅速に意思決定できる。

これは経営者ならではの醍醐味だと感じています。

また、私は「人が成長する」ことを本気で応援したいタイプです。

キャディ時代もそうでしたが、人材育成やピープルマネジメントの現場にやりがいを感じてきました。

自分が直接関与できる人数には限界がありますが、

自分の会社として多様な企業・多様な現場で「成長の種」を撒き続け、

より多くの人のキャリアや自己実現を支援できることこそ、最大の価値だと考えています。

加えて、近年は「知見の社会還元」「知のオープン化」への関心が強まっています。

自分の経験やノウハウを、本や講義、SNS発信等を通じて広く届けたい。

若い世代や次代を担う経営者・技術者に、製造業の本質や現場起点の改革論を伝えていきたい。

実際、大学やビジネススクールでの教育活動や出版も視野に入れています。

そして、今後の夢の一つが、“ものづくり×ホスピタリティ”の場を創ることです。

たとえば、私の好きなオーベルジュである瀧波では、

山形の豊かな自然や食、温泉、地元ならではの文化を提供し、

過ごす人が「山形って良いとこだね」と必ず感じる空間となっています。

そのような空間に、ものづくりの現場体験を融合した“学びと癒やし”の空間をつくり、

海外や日本各地の人々と本質的な交流ができる場所をつくる構想も温めています。

日本の製造業には、世界から見ても尊敬される独自の知恵や技術があります。

それを“体験”として発信したい――そう強く思っています。

まとめると、

  • 自分の価値観・強みを最大限活かしたい

  • 社会や産業全体に大きなインパクトを与えたい

  • 人材育成・知の社会還元を実践したい

  • 家族や地域を大切にしたい

  • 新しい“ものづくり×ホスピタリティ”の形に挑戦したい

これらの想いが重なり、私は独立・起業の道を選びました。

このチャレンジが、製造業に新たなイノベーションと活力をもたらし、

関わるすべての人の幸福につながるよう、全力で取り組んでいきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。